レヴォーグですが、アクティブトルクスプリットAWDとVTD-AWDとは違うのですか

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レヴォーグですが、アクティブトルクスプリットAWDとVTD-AWDとは違うのですか

ACT-AWDとVTD-AWDの違いは分かりにくいですよね。以下、明確にご説明申し上げます。 ■ 前後トルク配分の違い この両者の違いについて一般的に知られているのは前後トルク配分の差です。 ACT-AWD 前:後=60:40 VTD-AWD 前:後=45:55 いずれも本式のフルタイム4WDですが、このトルク配分が示す通り、ACT-AWDは前輪偏重トルクでよりFF的な安定志向。VTD-AWDは後輪偏重トルクでコーナリングでのFR的な回答性を追求しています。オフロード性能に優れる素性を持つのはACT-AWDのほうです。前輪偏重トルクの方が有利だからです。例えばFFとFRでの雪道走行比較した場合、FFの方がスタックしにくいです。これは前輪が雪の塊などに遭遇しても、前輪自らの回転力でその障害物を掻き登ったり、掻き壊して進めるからです。一方、FRは同じ状況に遭遇すると、その障害物が車止めとなり後輪が頑張って押しても乗り越える前に後輪がスリップしてしまうわけです。雪の積もった駐車場でスタックしたFR車がバックだと抜け出せるのはそのためです。これは段差の多いオフロードでも同じですね。逆に、コーナリングでの回答性等はFRには定評がありますね。後輪駆動の操作性のよさはアクセルを第二のステアリングとして使用できることです。アクセルオンで後輪が空転やすいので、雪道の登り坂などは最初だけステアリングを切れば、あとはアクセルのコントロールでノーズの向きをコントロールできたりします。さらに積極的にアクションするとドリフト走行もできます。FR好きの人はこうしたコントロールの幅の広さを評価していると思います。 ACT-AWDはFF的要素があり、直進安定性とオフロードの走破性を重視し、VTD-AWDはスポーツ走行を重視したセッティングということです。とはいえ、安定志向というACT-AWDでも、雪道では楽勝でドリフト走行可能(VDCカット時)です。雪の上でステアリングを切った状態から急発進するとすぐにテールが流れはじめます。そのまま少しステアリングを進行方向に切った状態でドリフト定常円旋回に持ち込めます。VTD-AWDはさらにドリフトがしやすい(VDCカット時)ですが、こちらも十分な走破性がありますのでご安心ください。AUDI等FFベースの4WD(A4以上)も、クロカンのランクルも基本は後輪偏重トルクです。 ■ 構造の違い 上記の前後トルク配分の違いはよく知られていますが、両社の構造の違いについてはあまり知られていません。実は、ACT-AWDとVTD-AWDは分類すると別の種別に区分されます。この説明に入る前に4WDの分類に軽く触れておかねばなりません。4WDは大きく分けて5種類あります。 <パートタイム式4WD> 昔のジープなどがこのタイプで、普段は2WDで走行し、悪路走行など緊急時のみ4WDに手動で切り替えます。4WDにすると前後直結になり、前後輪で回転差の異なるカーブでは前後輪がケンカしてブレーキがかかる「タイトコーナーブレーキング現象」が発生します。使い勝手悪く絶滅に瀕しています。 <センターデフ式フルタイム4WD>★ 本格的なフルタイム4WD方式です。その名の通り、センターデフが装備されており、エンジンの出力は一度センターデフが受けて、そこから前後輪にトルク配分され、常時四輪にトルク配分します。この方式は優れた四駆性能を発揮できるのですが、重量が重たくなることやコストが高くなるため、現在は高級車を中心とした仕組みとなっています。スバルの「VTD-AWD」はこの「センターデフ式フルタイム4WD」に分類されます。一方、現在増えているのは、より簡素な装備で4WD化できる「トルクオンデマンド型スタンバイ式4WD」です。 <トルクオンデマンド型スタンバイ式4WD> 現在、4WD中では最も数の多い簡素な四駆システムです。この方式はセンターデフを持ちません。FFベースの場合はエンジンの出力が前輪に直接つながれており、通常の直進走行はほぼFFで走行します。前輪が滑ったとき等、前後輪に回転差が生まれると前後の車軸の間の装置が働き4WDになる仕組み。後輪の駆動系が簡素で済むため軽量安価にできます。通称「スタンバイ式4WD」と呼ばれます。 <トルクオンデマンド型フルタイム4WD>★ この方式は上記と同じくセンターデフを持たないのですが、後輪の駆動系も頑強に作られており、常時4WDで走行します。スバルのACT-AWDはこれにあたりますが、実はこのような仕組みを採用する事例はほとんどありません。センターデフを持たない4WDを「トルクオンデマンド型4WD」と呼びますが、世の中の多くが「トルクオンデマンド型スタンバイ式4WD」であるため、トルクオンデマンド=スタンバイ式と思っている方多いですが、実際にはACT-AWDのようにトルクオンデマンド型でもフルタイム4WDが存在するわけですね。 <モーター式4WD> プロペラシャフトを持たない4WDです。メインの駆動輪はエンジンが主体で、補助の駆動輪をモーターで駆動します。すでにトヨタのE-fourやホンダのSH-AWDや三菱のPHEVなどがこの仕組みです。電子制御との相性がよいので今後はこれが主流になると考えられています。 上記の★印にあるところが、今回のお話に関係するところです。 ■ ACT-AWD ACT-AWD=Active Torque Sprit All Wheel Drive です。スバルがこの方式を市販したのは今から30年前の1987年のことです。当時はACT-4(アクトフォー)という名称でした。この頃、世の中の4WD車は原始的な「パートタイム式4WD」か、より進んだもので「センターデフ式フルタイム4WD」でした。いずれも4WD走行時は前後トルク配分=50:50という機械式のものでしたが、スバルはこの時すでに電子制御で前後のトルク配分を自動制御する仕組を採用していました(AT車のみ)。世の中にはほとんど例のない「トルクオンデマンド型フルタイム4WD」ですが、これはスバルが30年間熟成を重ねて現在の安定性を得ています。従って、この方式がスバル車の主流となっています。レヴォーグでは1.6Lモデルに採用されています。前輪偏重トルクでオフロード走破性にも有利なため、フォレスターやXVもこの方式をベースに「X-MODE」なる電子デバイスを装備しています。 ■ VTD-AWD VTD-AWD=Variable Torque Distribution All Wheel Drive です。これも1991年からと歴史がある仕組み(アルシオーネSVXより採用)です。スバルのフルタイム4WDには幾つか種類があるのですが、VTDは既述のとおりセンターデフ式フルタイム4WDに分類されます。このセンターデフにはLSD(リミテッドスリップデフ)が組み込まれたタイプです。普通FF車はエンジン横置ですが、スバルはエンジン縦置のFF車を4WD化しています。スバルのアドバンテージは水平対向エンジン縦置きゆえ、FRのように後輪までプロペラシャフトを伸ばせば簡単に本格的な4WDがつくれることです。左右対称で低重心のフルタイム4WDで、これをスバルは「シンメトリカルAWD」と名付けていますね。昔はエンジン横置でもフルタイム4WDありましたが、現在はコストや燃費の関係で「スタンバイ式4WD」ばかりになりました。後輪のドライブトレインは必要最小限に留め、通常はFF走行し後輪は補助的役割として機能させます。一方、エンジン縦置の4WDは強靭なリアのドライブトレインが組めます。それゆえ、スバルはFFベースなのに後輪偏重トルクができるのです。同様なメーカーにドイツのアウディ(A4以上)があります。スバルもアウディも乗用型四駆でアドバンテージがあるのは、エンジン縦置のFF車をベースとしているからです。 なので、現在主流のエンジン横置のFF車ではVTD-4WDのようなことは、現状では考えにくいことです。また、ACT-AWDにしても常時四駆には変わりないので、燃費とコストダウンが重要な中では、横置FFベースでやるのは同じく難儀と思います。VTD-AWDは少し前にはレガシィにも採用されていましたが、現在ではレヴォーグとWRX S4の2Lもでるのみとなっています。 少し蛇足も入りましたが、ACT-AWDとVTD-AWDの違いはこんな感じです。何かご不明な点がございましたら、追加でご質問いだだければ幸いです。

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